Hulu

フールーオン

ケイン・コスギさんの 語りたくなる1本は…

『バックドラフト』

まず、この『バックドラフト』を語りたい1本に選んだ理由を教えてください。ケインさんのイメージにぴったりだと思うのですが。
そうですか(笑)。僕は、ずっとアクションのできる俳優に憧れていたから、アクション映画がやっぱり好きです。でも、ただ戦うだけのアクションではなくて、ヒューマンストーリーもしっかりしてないと嫌なんです。『バックドラフト』は僕が高校生のときにアメリカで公開されました。高校の大事な試験の前日が封切り日で。。。勉強しなきゃマズいのに、どうしても観たくて我慢できなくて夜遅くに観に行ったんです。おかげで試験の結果は散々だったから、絶対に忘れられない。
試験勉強を犠牲にした価値はあったと?
ありましたね(笑)。その頃、僕はすでに俳優になりたかったんですけど、『バックドラフト』を観た後1ヶ月ぐらいは、消防士になるのもいいなと本気で思った。そのぐらい格好よかったし、いい映画でした。ロン・ハワード監督のことも大好きになりました。
ちょっとヤワな男の子が成長していくストーリーがよかったんですか?
いえ、カート・ラッセルが演じたお兄ちゃんの方です。他の団員がみな酸素マスクをして現場に突入するのに、お兄ちゃんだけは素のままで飛び込んだり、いつでも一匹狼的な振る舞いなんです。新米の弟のことは守りたいけど厳しく教えたい、みたいな。。。
感情移入するタイプなんですね。
僕には、実生活で弟と妹がいて。自然にお兄ちゃん目線になっちゃうんですね、きっと。だから最後にいい仕事をした弟を「俺の弟だぜ」って自慢げに言うところなんか、ジーンときて泣いちゃいますよね、もう。そういう男同士の関係がストーリーの主軸になってる映画が好きなんです。男同士はいろいろ言いたいことはあっても目を見りゃ話さなくてもわかるだろ、みたいなところがいいですよね。
火事の現場や、炎と戦う消火シーンも迫力がありますね。
そう、手に汗を握る感じです。僕も、実際にスタントで全身火だるまになってそのまま転がって海に落ちるというのをやったことがあるんです。怖さと熱さはハンパないですよ。日本ではテレビのロケで、特殊消防隊のようなところに1日入隊したこともあります。ボンベとマスクで息がしづらい状態で障害物を超えて進む訓練、ものすごく大変でした。そういう実体験を踏まえた上でも、あのシーンはリアルな迫力がある。しかも20年以上経った今でも古く見えない。ほんと、すごいですよね。
USJにも、『バックドラフト』のアトラクションがありますよね。
そうそう、あります! 僕はアメリカの方で体験したんですけど、日本のUSJにもあるんですよね。あ、シンガポールのユニバーサル・スタジオでも行きましたよ。USJに行ったら、必ず『バックドラフト』は行ってみてください! 撮影現場の雰囲気もわかるし、おすすめします。
他にも見どころはありますか?
ストーリーがおもしろいです。犯人が誰なのか、途中まではこいつだと思っていると違ったりハラハラします。ときどき、ちょっとラブシーンが入るのも絶妙なタイミングなんですよね。それに脇を固めるのが、ロバート・デ・ニーロ、ドナルド・サザーランド、スコット・グレンと豪華な面々です。画面に緊張感が生まれるし、深みが出ます。さすがです。
『バックドラフト』を何度もご覧になってるようですね。
趣味とかブームとかあまり興味のない僕が、唯一コレクションしているのが映画のDVDなんです。きっと1,000本近くあるんじゃないかな。『バックドラフト』は、もう20年以上、僕の好きなBEST5にランクインし続けている映画なので、もちろん持っているし何度も観ています。あ、そうそう、このところHuluのような配信システムが主流になりつつあるじゃないですか。近頃はDVDを買う機会がめっぽう減りましたね。けれど、そうなると僕のDVDコレクションに意味がなくなってくるんです。どれだけお金をつかってしまったんだろう、と(笑)。
どうしたらいいんでしょうね。ところで『バックドラフト』を見るのはどんなときでしょう?
元気になりたいとき。トレーニングの前とか途中とか、気分をアップしたいときには、メインテーマの音楽を聴くだけでぐっと力が入ります。消防用のホースは持ってないけど、映画の中の訓練のように階段をガガガッと駆け上がったりとか(笑)。。。そうそう、お兄ちゃんの最後の見せ場覚えてますか? 片手で仲間の手を握り、片手で崩れ落ちそうな鉄骨を掴んで、宙吊りでこらえるシーン。
もちろんです。もう、腕も顔もギリギリの感じですよね。
あそこで、是非、カート・ラッセルの顔に注目してください。頬がプルプルしている顔のアップだけで、全身の力がギリギリなのが表現されていますから。。。実はあれ、僕、参考にさせてもらったんですよ、“リポビタンD”のCMで(笑)。
あの「ファイト〜・イッパーツ!」ですかっ?
そうなんです。顔のアップシーンでは、顔だけでファイトしてるのを伝えなくちゃいけない。あの頬のプルプルは、顔だけで全身の筋肉を表現しているんです。だからCMのオーディションであのワザを使ったんですよ。やっぱり『バックドラフト』を観ておいてよかったですね、僕(笑)。
バックドラフト
バックドラフト
映画 | NBCユニバーサル
【運命に導かれた男たちの思惑が交差するとき、生き物と化した炎が襲いかかるー。】殉職した父の後を継いで、消防士になる決意をしてシカゴに戻ってきたブライアン (ウィリアム・ボールドウィン)。父の同僚と、今や消防中尉の兄スティーブン (カート・ラッセル) と大火災を戦う日々を送っていた。ある日、ブライアンは元恋人のジェニファー (ジェニファー・ジェイソン・リー) と再会し、彼女の上司に放火犯罪調査の仕事を勧められる。
ケイン・コスギ
ケイン・コスギ
1974年10月11日生まれ、米国ロサンゼルス出身。俳優。2007年から本格的にハリウッド・アジア映画界に進出し、2013年のハリウッド映画『ニンジャ・アベンジャーズ』にスコット・アドキンスとW主演し、翌2014年のハリウッド映画『TEKKEN:KAZUYA’S REVENGE』で初単独主演を果たす。国内においてはワーナー・ブラザース映画「テラフォーマーズ」(邦画・2016年GW公開)にも主要キャストとして出演。さらに2016年、ハリウッド映画の主演・最新作『MAXX』(日・米・泰 合作)が控えているなど、世界を舞台にさらなる飛躍が注目される。
Huluをまだご利用されていないかたは
月額933円(税抜き)まずは2週間¥0トライアル
SHARE