『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
男子の憧れは万国共通
- 川上さんは語りたくなる1本に「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を挙げていますね。
- 川上洋平(Vo, G)今年はPART2でマーティたちがタイムスリップした未来の年で、“バック・トゥ・ザ・フューチャー・イヤー”と呼ばれています。PART2でマーティたちがタイムスリップした日、2015年10月21日にもう1回PART 1、2を観て、やっぱりいい映画だなと思いました。あと、この映画ってもうリメイクできないと思うんですよ。
- それはなぜですか?
- 川上この映画は1985年を起点に1955年と2015年にタイムスリップするという内容なんですけど、その頃未来だった2015年にもうなってしまったからですね。今だとビンテージのものが流行ってたりするんですけど、1980年代って新しいものがきちんと流行っていて、「新しいもので俺たちの時代を築きあげていこうぜ!」みたいな風潮があった最後の時代な気がしていて。ファッションなら1990年代から60’sとかのアイテムを取り入れるようになったり、古着が流行ったりもしたし、音楽で言うならThe StrokesやArctic Monkeysがガレージロックのリバイバルブームを巻き起こしたし。1980年代までは古いものを掘るよりも、「とにかく新しいものを、新しいものを」っていう感覚だったと思う。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はそういう時代と、ジャンルとしてロックンロールが生まれた1950年代っていういい時代を描いているからすごく魅力的なんです。平成生まれぐらいの若い世代が観たらちょっとピンと来ないかもしれないけれど。
- 庄村聡泰(Dr)だいたいSFってなるとSFアクションがほとんどじゃないですか。でも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はSF映画なのに戦闘シーンがないんですよ。僕はそこが好きですね。本当に好き!
- 川上いろんなタイムスリップ映画がありますけど、これに勝るものはないと思っています。すべてのタイムスリップ作品におけるネタを作った映画ですよ。PART 1では自分のお母さんの若い頃に会いに行って、PART 2では自分の息子たちにも会いに行って。あとホバーボードだったり、ボタン1つで靴紐が締まるNikeのハイテクスニーカーだったり、劇中に登場するアイテムの1個1個がすごく欲しくなるんだよね。
- 庄村日本で言うドラえもんのひみつ道具みたいなもんだよね。
- 庄村聡泰(Dr)だいたいSFってなるとSFアクションがほとんどじゃないですか。でも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」はSF映画なのに戦闘シーンがないんですよ。僕はそこが好きですね。本当に好き!
- 川上さんが挙げてくださった中で、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と同じように男子が好きそうな作品で言うと「ジュラシック・パーク」もその1つですよね。
- 川上そうですね。今年公開された「ジュラシック・ワールド」も観に行ったんですけど、僕はもう泣きそうになりました。やっぱり素晴らしいんですよ。タイムマシンで恐竜に会いに行きたいとか、空を飛びたいとかそういう男子の憧れは万国共通なんでしょうね。俺は「ジュラシック・パーク」を映画館で観たんですけど、本当に怖かったしすごくびっくりしました。恐竜が追ってくるシーンとかではCGも一部使ってるんですけど、襲われるシーンなんかはちゃんと模型を作って撮影してるんです。そこにスティーヴン・スピルバーグ監督の男気を感じましたね。あと、僕は来月2年ぶりにハワイに行くんですけど、そのときに「ジュラシック・パーク」の撮影現場を観に行こうと思ってるんです。それぐらいに「ジュラシック・パーク」のファンですね。
『スワロウテイル』
すごくマンガ的な映画
- 一方庄村さんは邦画の「スワロウテイル」を挙げています。
- 庄村僕は洋画より邦画が好きなんですよ。塚本晋也監督の「鉄男」っていう映画でとにかく衝撃を受けて、「邦画ってこんなにむちゃくちゃなやつもあるんだな」と思って、いろいろと調べていったんです。で、「太陽を盗んだ男」にたどり着いて、沢田研二さんや菅原文太さん、渡瀬恒彦さんたちの若い頃の映像を観てみたら、パワーがすごくて。いろいろロックを聴いてきて、その大元のThe BeatlesとかLed Zeppelinにたどり着いたときに受けた衝撃と同じレベルのものを感じたんですよね。
- 「スワロウテイル」は今年YEN TOWN BANDが復活したこともあり旬な作品ですが、この映画はどんなところがオススメなんですか?
- 庄村岩井俊二作品の中で立ち位置がすごく個性的な作品だなと思っていて。僕、岩井監督ってわりと現実世界で起こるちょっと不思議なことだったり、そこで起こるちょっとしたロマンスだったり、そういう部分をすごくロマンチックに撮る監督だっていうイメージがあるんですよね。だけど「スワロウテイル」だけ完全な寓話…、おとぎ話じゃないですか。岩井監督の作品って色調が淡いものが多いんですけど、「スワロウテイル」だけは超ギンギラギンな感じで。あと場面展開とかもほかの作品に比べてすごく起承転結がある。だからエンタメとして最高に楽しめる。岩井俊二監督の諸作品の中で唯一エンタメにだけ振り切ってる感じがしました。バンドに例えるなら「意外と激しい曲できるんだね! しかもカッコいいじゃん」みたいな。あとはまあ今となってはそうそうたる面々が出演されてるので。
- 三上博史さん、CHARAさん、伊藤歩さん、江口洋介さん、渡部篤郎さんと、出演陣も豪華ですしね。
- 庄村すごいですよ。この映画を観たときに「映画ってここまでマンガっぽく作り込めるんだな」って思ったんです。最後に傷だらけになったヒオ・フェイホンの目の前でグリコが埋めた看板が空に上がっていくシーン、あれが別れを示唆してるっていうところが超マンガっぽくて好きなんですよね。あとね、あのエンディングテーマを聴くためだけに観る価値がある。入り口がいろいろあるから、岩井監督の映画の中で一番薦めやすい作品です。この作品は笑いながら語れるし、語ってもケンカが起きない。岩井監督のほかの作品だとクドクド言いたいことが多いと思うので(笑)。

- バック・トゥ・ザ・フューチャー
- 変わり者のドク・ブラウン (クリストファー・ロイド) が造り上げたデロリアンのタイムマシンで1955年にタイムトラベルしてしまったティーンエイジャーのマーティ・マクフライ (マイケル・J・フォックス)。そこでマーティが直面するハプニングにより彼自身の未来が消えてしまう危険にさらされる。

- スワロウテイル
- むかしむかし、“円”が世界で一番強かった頃、いつかのゴールドラッシュのようなその街を、移民たちは“円都 (イェンタウン)”と呼んだ。でも日本人はこの名前を忌み嫌い、逆に移民たちを“円盗 (イェンタウン) ”と呼んで蔑んだ。ここは円の都、イェンタウン。円で夢が叶う、夢の都。…そしてこれは、円を掘りにイェンタウンにやって来た、イェンタウンたちの物語。
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- [Alexandros]
アレキサンドロス - 川上洋平(Vo, G)、磯部寛之(B, Cho)、白井眞輝(G)、庄村聡泰(Dr)の4人からなるロックバンド。2007年より[Champagne]名義で本格的に活動を始める。2010年1月にRX-RECORDSから1stアルバム「Where's My Potato?」を発表。美しいメロディとパワフルなバンドサウンドを武器に、さまざまなイベントやフェスに出演しファンを獲得する。2013年6月に4thアルバム「Me No Do Karate.」を発売。2014年3月の東京・日本武道館公演でバンド名を[Champagne]から[Alexandros]に改名した。同年6月に改名後初めての作品となるシングル「Adventure / Droshky!」と、武道館公演の様子を収めたライブDVD / Blu-ray「[Alexandros] Live at Budokan 2014」を発売。11月にはユニバーサルミュージックとパートナーシップを結んだことを発表し、2015年に3月にシングル「ワタリドリ / Dracula La」、6月にアルバム「ALXD」をリリースする。7月に2度目の武道館公演を成功に収め、10月より全国ツアー「[Alexandros] TOUR 2015“ご馳走にありつかせて頂きます”」を開催。12月にはシングル「Girl A」をリリースし、全国ツアーのファイナル公演として、千葉・幕張メッセ国際展示場にてワンマンライブを行う。